おはじき
夕方ドラえもん(のジャイアン)を観ていてふと自分の子どもの頃の出来事を思い出した。
小学生の私はおはじきが得意だった。おはじきのルールは最初にお互い同じ数のおはじきを出し合って、一回おはじきを成功させればそのおはじきが貰えてまた続けて出来る。
強いと相手に一度も順番を回すことなくおはじきを総取り出来る。
それで私はいつも山ほどおはじきを持っていた。
クラスに目立たない女の子がいた。大人しくて友達は多分1人もいなかった。何がきっかけだったかは覚えていないけれど、その子とおはじきをすることになった。
その子のおはじきを容赦なく総取りした。
その後もその子はおはじきをしようと誘って来た。子どもだった私は手加減を知らずに毎回その子に順番を回すことなくおはじきを総取りした。それでもその子は嬉しそうにニコニコしていたことを覚えている。
その子の家は兄弟姉妹が多くあまり裕福な家ではなかった。おはじきだってタダではない。私に取られることを分かっていて、どんな気持ちでいつも私におはじきを挑んで来たのだろう。ニコニコしていたその子の顔しか思い出せない。
そのうちその子はおはじきに誘ってこなくなった。言葉は悪いがその子から巻き上げたおはじきはかなりの数になった。そして私はその子と仲良くなるわけでもなくおはじきの切れ目が縁の切れ目。2度と遊ぶことはなかった。
大人になった今、後悔しかない。
友達のいなかったその子は、おはじきを取られることが分かっていても誰かと一緒に遊べることが嬉しかったのではないだろうか。私はもっとやりようがあったのに。
大人になったから分かる。
手加減するも良し。
おはじき以外で遊ぶも良し。
今その子がどうしているかなんて全然分からないけれど、きっと何があってもニコニコしていられる人になっているとなんとなく思う。
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